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経営課題の改善

中小企業における効率のよい会議のあり方とは

皆さんの企業では、会議をどのように行なっていますか? 会議の頻度、内容、進め方など企業によってさまざまでしょうが、効率的に会議を行なうことが企業の発展や生産性の向上にとっては大切です。この記事では、中小企業においての効率的で効果的な会議のあり方について、詳しく解説します。

会議のルールを明確化する

会議とは、関係者が集まり、特定の目的(議題)に関して意見交換や審議をする場のことです。一方的に社長や管理職の話を社員が聞くだけだったり、ある特定の人だけが話して他の人は意見を言えなかったりするようでは、会議とは言えません。そのために、全員が話しやすい雰囲気作りも時には必要です。しかし、話しやすい雰囲気を作ろうとすることにより、緊張感がなさすぎるのも考えものです。
会議の出席者がしっかりと発言、し活発に意見交換をするために、企業においての会議のルールを明文化し、社員全員で共有することが、有意義な会議を行なううえで大切です。
会議を行なううえで有効なルールには、以下のような例があります。
・会議の出席者全員が参加する意識を持ち、積極的に意見を出し合う。
・人の意見は最後まで聞き、否定することなく、対話を大切にする。
・ときには対立も必要とする。ただし、命令や押し付け、妥協にならないよう、統合で解決する。
・誰が、いつまでに何をするのかなど具体的に意思決定を行なう。
・否定的な発言を慎み、肯定的な意見を言う。
・前回の会議での決定事項を、確実に確認する。
・会議を行なう環境整備に配慮する。

会議の目的や目標を、議題を決める

会議に限らず、目的や計画をしっかりと立てることは大切なことです。特に話し合うべき議題がないのに定例だからという理由だけで会議を開いたり、抽象的な議題で会議を行なったりして、結論や改善策が出されないまま会議が終わってしまうなんてことはありませんか? 会議の目的が明確でないまま、社長が一方的に話して終わりというのも、生産性のある会議とは言えません。
あらかじめ、会議の目的(何のための会議なのか)、目標(何をどの程度、どのように決めるのか)、議題(何について話し合うのか)などを明確にし、会議に出る社員に事前連絡をしましょう。そのうえで、事前に会議の資料を配布する、議題に対しての意見を集めておくなど、担当者がしっかりと準備を行なうことで、実のある会議の実現につながります。
会議の目的や目標、議題を明確にするために具体的な方法は、以下のようなものがあります。
・具体的な議題を書き出すことで、脱線防止になる。
・話し合う対象を広げすぎず、項目の数を限ることで時間の無駄を防ぐ。
・問題点を話し合うのではなく、解決策を考える意識を持つ。
以上を参考にしながら、それぞれの企業においての会議のルールを決めてください。

時間を守る(タイムスケジュール・タイムキーパー)

とかく会議は時間が長引きがちなので、無駄に長時間になってしまったり、話し合うべき議題が全部話せないまま時間切れになったりすることもよくあります。時間を無駄にしないためにも、きちんとタイムスケジュールを立てておくことが大切です。
たとえば、話すべき議題が複数あった場合は、一つの議題に対して話し合う大体の時間を決めておくことで、会議を進行する目安になります。時間を必ず守らなくてはならないということではなく、時間には限りがあるという意識を一人ひとりが持つことで、無駄に長い時間を掛けて会議をするということがなくなります。
タイムスケジュールを決めるとともに、タイムキーパーを決めておくことも有効です。議論が白熱すると、ついつい時間を忘れてしまうことが多いので、進行役以外に時間を見ながら軌道修正する役割を決めることで、時間の無駄が省けるでしょう。
時間を守るということでは、会議の開始時間を出席者全員がしっかりと守ることを習慣にしましょう。日々時間に追われて余裕のない仕事の仕方をしていると、会議の開始ギリギリまで仕事に取り組み、開始時間になっても出席者がそろわず、開始時間が遅れるようなことになりかねません。それでは時間の無駄です。全員がそろわなくても会議を始めたとしたら、遅れて参加した人が聞き逃したことがあっては内容の共有ができなくなります。
時間を守るということは、社会人の最低限のマナーでもあります。会議は開始から全員が時間を守るという意識をしっかりと持ちましょう。

会議は報告会や講演会ではない

前述したように、会議は意見交換や審議をする場であり、報告会ではありません。しかし、各部署の売り上げや実績報告を読み上げたり発表したりするだけの報告会のような会議になっていませんか? 報告をするだけであれば、資料を配布して各自が目を通すだけで済みます。
また、会議は社長の話を聞くだけの講演会でもありません。社員に伝えたい内容や思いが多すぎて、会議のほとんどの時間を社長一人で話してしまうということは避けるべきです。社長の思いや方針を社員に伝えることはもちろん大切なことではありますが、社長が熱を入れて話せば話すほど、そして長時間になればなるほど、社員はうんざりして聞いていないという事態になることが多いものです。
また、社員も一人ひとり自分の意見や考えを持っているので、社長や上司に聞いてもらうことは喜びを感じ、モチベーションアップにつながります。会議のルールや議題、タイムスケジュールを決める際に、意識するようにしましょう。

社員が順番に進行役を務める

進行役は会議を円滑に進めるために、非常に重要な役割ですので、会議の進行役や議長を、社長や管理職など上の立場の人が務めるという企業が多いと思います。しかし、進行役は社員が務めるようにしましょう。社長の講演会のような状態になることや、一部の管理職ばかりが発言するという事態になることを防ぐためです。

初めは進行役を務める社員は緊張してうまくいかないかもしれませんが、経験を積むことで進行の仕方を覚え、上達していきます。上達すれば自身にもつながり、人前で話すのが苦手な人も克服できます。そして、物怖じせずに自分の意見を発言することもできるようになるでしょう。

持ち回りで行うことで、一人ひとりの負担の軽減にもなり、社員みんなが経験を積むことが可能です。また、進行役の大変さも理解できるので、助け合おうとする意識も生まれます。

会議中に議事録を作成する

会議の内容をきちんと議事録にして残しておくことは、せっかく議論したことを風化させないためにも、とても大切です。議事録をきちんと残している企業の中には、議事録の作成を会議終了後に行なう企業が多いのではないでしょうか。議事録は会議中に同時進行で作成することをおすすめします。そのためには進行役同様、書記係も持ち回りで務めるようにしましょう。
同時進行で議事録を作成することで、会議の最後にその日話し合った内容を全員で確認することができます。担当者、期限、目的、方法など、その日の会議で決定した事項をそのときに全員で確認することで、記憶の違いやうっかり忘れなどの予防ができます。また、会議に出席しなかった職員に、すぐ回覧することができるので、タイムラグがなく社内共有が可能です。

資料を簡素化する

会議の資料は、全員が内容や情報を共有し、理解する意味でもとても重要なものです。しかし、あまりにも資料が多すぎると、会議の前に資料の準備や作成に膨大な時間がかかり、担当者の負担になってしまいます。また、社内の資料なので、必要以上にこだわって見栄えのよいものを作る必要はありません。
そして、あまりにも膨大な量の資料は、参加者が目を通すのも大変で、尚且つ大事な要点が何かが分かりにくくなる場合があります。本当に必要な情報だけを、わかりやすく伝えることに重点を置いた資料作りを心がけましょう。

ツールを活用する

社員が実際に顔を合わせ、直に話し合ったり意見交換をしたりすることは、社員同士のコミュニケーションにもつながり、利点は少なくありません。しかし、現代にはメールやチャットツール、リモートなど現代はオンラインの便利なツールが数多くあるので、うまく活用することも求められます。
本当に必要な会議なのかどうかということを見直し、オンラインで済ませることが可能な内容はオンラインで行なうことで、時間や労力の無駄を省くことにつながります。

全員が責任感を持つ

社員はそれぞれ担当部署や担当する業務があります。とかく、自分の担当外のことに関しては、自分は関係ないという意識を持ちがちです。しかし、同じ社内の一員である以上、担当外のことは自分に全く関係ないと言えるでしょうか? 会議においても、自分に関係ないという意識を持って参加するのと、責任感を持って参加するのとでは、おのずと会議の内容の充実度が変わります。担当外だからこそ客観的に物事を見て、判断するということもできます。
会議の出席者、または社員全員が責任感を持つこと、そして責任感を共有することで、常に全員が能動的に仕事に関わり、取り組む姿勢が生まれます。「それは自分の仕事ではない」という気持ちを捨て、会社の成功や失敗に対して等しく責任感を持つという意識で仕事にあたることで、全員が会社のために力を入れて仕事に取り組むようになれるでしょう。
一人ひとりが責任感を持つようになれば、一人ひとりの発言にも責任が生じ、会議で決まったことも責任を持って確実に実行できるようになります。

まとめ

この記事では、中小企業における会議のあり方や、効率のよい会議の進め方について解説してきました。大切な業務時間を使って会議を行なうわけなので、無駄を省き、有意義な会議を行なうことが大切です。そのために、会議のルールを明確にし、会議の目的や目標、議題をきちんと決めることを徹底しましょう。
そして、社員一人ひとりが責任感を持つことで、時間を守り、議題について真剣に考え、堂々と意見を発言するようになり、活発な意見交換が行われることでしょう。
この記事の内容を参考に、各企業で有意義な会議が行われることを願っています。

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