DX化を推進していきたいけれど、実際にどのような施策を施していけば成功できるのかイマイチピンと来ない…。
IT業界とかけ離れた企業でもDX化をしてうまくいくのか?そんなお悩みを抱えている方は少なからずいらっしゃると思います。
そこで、こちらの記事では「サービス業」でのDX化成功例として、温泉旅館での最新技術の導入事例とその成果についてをご紹介していきます。
こちらの記事を読んで、ぜひともDX化の推進についてお悩みの方も一歩を踏み出してみてくださいね。
滋賀県、京都府の温泉旅館を営む「株式会社 湯元館」が抱えていた課題
DX化を実践したのは老舗旅館「湯元館」を中心に数多くの旅館を営む、株式会社 湯元館さんです。旅館の業務範囲は多岐にわたっており、そのために仕事を円滑に進められない問題を抱えていました。
具体的には、以下のような問題点が存在していました。
・宿泊客の状態や要望を管理しきれない
・朝食、夕食の準備でミスが発生してしまう
・荷物運びなど肉体労働が多く、スタッフの疲労やストレスの蓄積に繋がる
上記のような問題点のために、「お客様満足度の低下・クレームの発生」「労働効率の低下」「従業員の不満」といった多くの悩みを抱えていました。
そこで、これらの課題点を解決するために湯元館は業務改善のためのDX化の施策を行いました。
株式会社湯元館が行ったIT化について
そこで、湯元館は業務環境の改善のため、以下のような改革を行いました。
顧客情報の管理体系をIoT技術を用いた体系に変更
最初に、お客様の情報管理の方法としてIoT技術を導入し、情報共有のミスの削減および効率化に成功しました。

具体的には、デジタルサイネージという大型のディスプレイを導入し、そこにお客さんの情報や予約時などに伝えられた要望などの情報を表示するようにしました。
また、顧客の予約時から部屋の管理などを導入したシステムを用いて一元管理するようにしました。
この施策によって、誤った情報を伝達してしまうリスクの高い口頭での情報共有から、モニターを確認すれば一目で情報共有が可能になり、ミスの発生の削減を実現しました。
仕事専用のスマートフォンを配備し、情報共有をスムーズに
また、顧客対応の円滑化のためにスタッフ全員に仕事用のスマホを携帯させるようにしました。このスマートフォンには宿泊客の食事や飲み物の注文状況が即座に表示されるようになっているため、会計時のミスの削減に貢献しています。
このような、デジタルサイネージや専用スマートフォンの導入によって、情報共有の円滑化やお客様の満足度アップに成功しました。
従業員が肉体面での負担を感じないような工夫を導入
また、旅館での荷物運搬など力を使う作業の負担軽減のために、以下のような工夫を導入しました。
・調理場に料理を運搬するためのコンベアを導入
・料理の準備のために台車を使うようにする
・台車での運搬がスムーズにできるように建物内の段差をなくす、入り口を広くする
・ドアを自動ドアに変更
このように、食事の運搬をコンベアや台車によって円滑に行えるようにして、仕事の効率化が実現しました。
上記のような工夫が実現できた背景は社員の声を集めたことにあった
それでは、上記のような業務のIoT化や各種工夫によるDX化に成功した背景にはどのようなきっかけがあったのでしょうか。
工夫を実現できた背景には、「改善メモ」というシステムを導入し、社員からの声にしっかり耳を傾けられるようにしたためでした。
改善メモとは、社員が働いている際に気付いた業務中での課題をメモとして提出させるシステムです。改善メモを提出してもらうことで、企業側が現場に存在する課題をいち早く認識し、問題の解決に努められるようになりました。
また、改善メモを提出した社員は報奨金がもらえるだけでなく、改善のために努力してくれた社員には報奨金以外にも表彰をするシステムを導入しました。
このように、業務環境の改善に企業一体で取り組めるような仕組みづくりに加えて、社員の声を積極的に聞き入れるシステムの導入や表彰制度を導入していくことによって、環境改善だけでなくスタッフたちのやる気UPにも成功しました。
まとめ
・温泉旅館が抱えていた課題をIoTの導入によるDX化に成功し、作業ミスの削減、顧客満足度の上昇に成功した
・労働環境の改善によって業務効率の向上に貢献した
・様々な工夫を導入できた背景には、改善メモと呼ばれるスタッフたちの声を集める仕組みづくりをしたことにあり、社員のモチベーションアップにも繋がった
これ以外にも、湯元館の公式サイトにはAI組み込み式チャットボットが導入されているなど、様々なDX化の施策が行われています。
このように、一つの職場内でさまざまな仕事をしなければならないサービス業だからこそ、DX化は大きな効力を発揮します。
効率の良い職場づくりのためにも、DX化を推進していき始めてみませんか?
引用元:https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/monozukuri300sha/2018/seisan080_yumotokan.pdf