DXを製造業の職場に取り入れたいけれどどのような施策をしていけばいいのかが分からない…実際に製造業でDX化に成功した例を参考にして、自社でもDX化を推進していきたい。
そんな方向けに、こちらの記事では「製造業でのDX化施策成功例」についてご紹介していきます。
こちらの記事を読んで、製造業の仕事にも最新のIT技術を取り入れて、様々なメリットを得られるように施策を施していきましょう!
キミセ醤油株式会社が抱えていた課題について
キミセ醤油株式会社は岡山県にある醤油やポン酢、味噌といった調味料の販売を行う企業です。わずか40名程度の営業が月1回、お客様の元を訪問して商品を販売して営業利益を挙げている少し変わった営業スタイルの企業になります。
こちらの企業には、以下のような業務課題が存在していました。
・顧客情報(会社情報、購入履歴など)の情報管理
・従業員の残業時間の増加
これらの問題を解決するために、企業では「電子手帳の導入」「データベース化」など様々なIT施策を実施してきましたが、結果は芳しくありませんでした。
そこで、これらの問題の解決のためにDX化が推進され始めたのです。
業務効率化のためにRPAを導入
そこで、キミセ醤油株式会社では企業の抱える課題を解決するためにRPAと呼ばれるシステムを導入しました。
これは、単純作業などのルーティンワークをロボットが自動で行うためのシステムであり、近年注目されている最新のIT技術の一つになります。
勉強会で導入されているホテルの話を聞いて、実際に非常に効果的であると知って社長の意向により導入されることとなりました。
導入されたRPAには以下のような機能が導入されています。
・条件(コールセンターからの電話が必要)、キーワ―ドでの顧客検索、抽出
・顧客リストの自動作成
これらの機能を活用した結果、以下のような成果を挙げられました。
・残業時間1人当たり3時間程度の削減
・アポイントの電話の時間を2.6分削減
・売り上げの向上(昨年度比)
・顧客とのコミュニケーションの時間の確保に成功
このように、単純労働をロボットに任せる最新技術によって、課題となっていた業務負担の軽減に成功しました。
SNSを活用、宣伝のためのプログラムも導入
また、現在ではSNSの活用を開始し、売上向上を図り始めました。
ネットの情報やユーザーがどのような経路で商品やSNSのアカウントにたどり着くのか、専用のプログラムを開発した上での分析を開始しました。
このように、SNSの運用や活用もDXの手段の一つとも言えますね。
DX成功の背景はトップの永原社長の積極性とDX推進のための人材の起用にあり
それでは、従業員が70人と極めて少ないキミセ醤油株式会社がDX化に成功した所以は何なのでしょうか。
その秘訣は、大きく分けて2つあります。
1つは社長本人がDX化に大きく力を注いだ点です。会社規模でのDX化の成功には、上層部の理解と資金が必要になります。
キミセ醤油では、永原琢朗社長が率先して業務改善の行動をおこなっていました。
今回のDX化にもIT導入補助金を利用しています。また、勉強会への参加や情報収集、RPAを導入しているホテルへの視察など率先的に推進活動を牽引していきました。
また、社内のRPA導入プロジェクトのリーダーをIT知識のある若手に据えた上で、営業の専門知識を補うためにメンバーとして、知識の厚い営業の面々を加えたのです。
このような体勢によって、経験の浅い若手ではわからない知識を営業のベテランたちが補うことで、アポイント頻度や優先度を数値化する技術などを取り入れた、自社で使いやすいRPA導入に成功しました。
このように、上層部の率先的な行動や知識習得への努力、ITスキルに長けた人材をDX化のための仕事に集中させたりすることが中小企業のDX化成功に重要なポイントとなります。
まとめ
・キミセ醤油株式会社では手作業での複雑な顧客データ管理に伴う業務課題を、RPAの導入によって解決に成功した
・SNSのアカウント活用、およびアクセス経緯の分析なども行い多様な営業活動の促進も行っている
・DX化成功の秘訣はトップである社長が先陣を切って行動したことと、ITスキルのある若手と営業としてのキャリアがある社員を中心に本格的なRPA導入のためのチームを結成したことにある
このように、製造業でもDX化は活発に行われています。今回紹介した企業以外にも、中小企業におけるDX導入事例は数多くあります。
もしもDX化推進における課題を抱えているのであれば、まずは自社の問題を洗い出したうえで、どのようにデジタル化していけるか考えていってみてはいかがでしょうか。