中小企業の皆様で最近こんなお悩みを抱えていらっしゃる方はいませんか?
・「DX」という単語を聞くけれど、どのようなものなのかよくわからない…
・DXを中小企業に導入するメリットは何かあるの?
そんな方向けに、こちらの記事では中小企業で実際にDXを実行し、最新のIT技術を取り入れた結果仕事がどのように変わったのかをご紹介していきます。
今回の記事では「福祉業界」での事例を挙げて、DX化のもたらすメリットについてご紹介していきます。
広島県 あい保育園さんの抱えていた課題
広島県では保育児童問題(保育士不足のために、保育園に預けられない子どもたちが発生する現象)が課題となっていました。
この課題を解決するためにも、一度職から退いてしまった免許を持っている“潜在保育士”さんたちを復帰させるために、以下のような課題の解決を試みました。
・業務量の負担
・子どもたちと接するにあたって生じるメンタル面のストレス
DX化としてアプリ「ルクミー午睡」チェックを導入!
そこで、広島の保育園運営を行う企業「アイグラン」の管轄保育園では、潜在保育士の復帰を試みるためにもIoT技術を取り入れて、心身の負担の軽減を試みました。
具体的には、以下のような取り組みを実施しています。
・午睡センサーを用いた子どもたちの睡眠の状態をデータで取得
・スマート体温計を用いた検温を実施
・スマート連絡帳を導入して親御さんとのコミュニケーションを実施
具体的に一つ一つの施策を見ていきましょう。
子供たちの睡眠の情報をデータで確認可能に!
第一に、センサーを子どもたちに取り付けて睡眠の状態をアプリでチェックし、データ化して出力可能にしました。
DX実施前は定期的に保育士たちが見に行ったうえで、子どもたちがしっかり眠っているか、姿勢がおかしくなってないかなどを確認しなければなりませんでした。
しかし、「ルクミー午睡チェックセンサー」を用いた睡眠状態の取得を開始してからは、子どもたちが寝返りを打った情報がアプリに来たら様子を見に行くだけでよくなりました。
また、それだけではなく睡眠の状態をデータで管理可能になったため、親御さんとの共有や園内での管理および共有の手間も大きく軽減しました。
このように、IoT技術とアプリの導入によって保育士の業務負担が大きく軽減しました。
コロナ渦のストレスに繋がる業務もDX化により手間の削減に成功!
また、コロナウイルスの流行に伴い増加した業務である「子どもたちの検温」「コロナウイルス対応などの連絡」といった業務も保育士の負担となっています。
そこで、スマート体温計と呼ばれる接触なしで検温可能な体温計を園に導入し、検温時の子どもたちとの接触機会を減らし、負担軽減に貢献しました。
また、親御さんとの連絡にはアプリ「ルクミー」をインストールしてもらったうえで、保育士だけでなく親御さん側の手間を減らすことにも成功しました。
実際に保育園のDX化の試みに対して、親御さんたちは「睡眠の状態のWチェックをしてもらえて助かっている」「設置されているWebカメラで子どもたちの様子が見れてありがたい」など非常に前向きな意見が寄せられています。
保育園のDX化成功の秘訣は導入サポートの力あってこそ
このように、保育園でのIoT技術導入によるDX化は保育士、親御さん双方から非常に好評と良い成果を上げています。
実際に、アイグラン社で保育士のストレスチェックを行い、データ化したところ以下の表のような結果となりました。
DX化推進前 | DX化推進後 | 差 | |
認可保育園 | 76 | 69 | -7 |
事業所内保育園 | 102 | 91 | -11 |
企業主導型保育園 | 109 | 104 | -5 |
このように、DX化の推進によっていずれの保育園ではストレス軽減にも成功しました。
それでは、上記のような成果を上げるためにどのようにしてDX化を円滑に進めていったのでしょうか?
それは「有限会社パシオン」によるルクミー導入のサポートがあったためです。
パシオンは保育士さんたちに導入のための使い方の指導などを行ったうえで、その声を元にしたFAQの作成や、潜在保育士向けに現在進めているDX化の施策を説明し、復帰を促す試みを行っています。
このように、DX化をよりスムーズに進めていくためには時には外部企業の力を借りて、ユーザー側が導入された技術を上手に使いこなせるようにするための工夫を行っていく必要があります。
まとめ
・保育園へのIoT技術(センサー、アプリなど)の導入によって保育士の業務負担軽減だけでなく、親御さんからの好評をいただくことにも成功した
・DX化をスムーズに進めていくために外部企業による導入サポートやFAQ作成、根本的かつ最大の課題である「保育士の増加」を目指して取り組みを現在も進めている
上記のような試みから福祉の現場でもDX化は非常に大きな役割を持つと明らかになり、現在はDX化をより推進しやすくするためのパッケージ化が進められています。
保育の現場は多くの課題を抱えており、今もなお労働力の減少という大きな課題を抱えています。しかし、今回の広島県のような試みが全国で浸透していけばそんな課題も解決するのではないでしょうか。
ITから大きくかけ離れた職種においても、DX化は非常に有用かつ大きな意味を持っています。ぜひとも、検討してみてはいかがでしょうか。