IT技術の進化により、今までの経験則や何となくといった感覚ではなく、数値や文字を蓄積することがほぼ無限にできるようになりました。
そうしたデータは、いわゆるビッグデータと呼ばれています。
データ分析とは、そのビッグデータを目的によって分類し整理、加工後に分析することによって蓄積したデータを元に、更なるビジネスや現状の問題の解決に生かすが出来ます。
今回はデータ分析という新しい手法や、そもそもデータとは何かなど基本知識をご紹介します。
データ分析の必要性とそのメリット
まず初めにデータ分析が必要とされ、注目されているのはなぜでしょうか?
それは、インターネットの普及と、それを利用するユーザー数の爆発的増加により消費者の価値観が多様化したことです。
今迄の限られた情報源から選択していた消費者が、自分の欲しいものを検索すれば国内は勿論、海外の製品や情報も簡単に手に入れられるようになりました。
更に、製品や情報も更新のスピードが速くなっているので、新商品がどんどん開発される一方で売れない商品はすぐに淘汰されてしまいます。
データ分析によって、そのスピードに対応しつつ、既存方法よりも良い販売方法や新たな客層などが見つかる可能性があるため、データ分析が注目され活用されはじめています。
データ分析のメリット
・正確な現状分析が出来る
・将来の予測がたてられる
・見えていなかった課題の発見とその解決方法の模索が出来る
・先入観の排除
蓄積した数字を元に分析を行うので、正確な現状把握や将来の予測を先入観なく客観的にみることが可能です。
データ分析のためのデータとはどんなものがあるのか?
具体的にデータと呼ばれるものは、色々あります。
自社内ですでに持っているデータの例をあげてみます。
顧客の属性や地域ごとの売り上げ、セミナーや広告への反響数、商品やサービスごとの問合せ数やその内容、クレーム数や内容。
その他にも、従業員のデータや採用活動の際の応募者情報、名刺交換時に手に入れた名刺情報など営業面だけでなく自社に関わっている人もデータの一部です。
また業種によってもそれぞれ独自に持っているデータがあります。
店舗であれば天候・気温と売上の関係性。
工場であれば設備の点検データと故障の頻度、農業であれば気候や土壌データと実際の収穫量。
医療では患者さんの医療情報、教育であれば学習記録と試験結果。
金融では、キャッシュレス決済やクラウドファンディングなどの分野で既にデータ分析が利用されています。
その他のデータとしては、誰でも閲覧できる公的なデータとして日本総務省統計局や日本保健衛生、世界銀行、土地総合情報システムのデータも使用することができます。
また、社内で部門ごと独自にまとめられてるデータを集約し、ビッグデータとしてデータ分析に活用することが出来るツールとして「データ連携ツール」を利用して集めたデータもあります。
データ分析方法とデータ分析ツール
データ分析方法の紹介の前に、まずはデータ分析の進め方が、データ分析を成功させる大切なポイントです。
それは、データは単なる情報に過ぎないためです。
まず目的を設定してから、次に情報であるどのデータをどの分析方法で使うのかが大事になります。
手段だったはずのデータ分析が目的にすり替わってしまう恐れもあるためこの点は覚えておいて頂きたい点です。
また、データ分析を行う際は、分析者の主観が入らないように客観的な立場で数字と向き合うことも重要とされています。
データ分析の進め方
1,最初に目的・目標を設定する
2,分析するデータの種類と手法を選ぶ
3,データの可視化
4,データ分析の結果を評価する
データ分析方法は、いくつもあります。
単体で使う場合もあれば、複数の方法を組み合わせてデータ分析を行うこともあります。
良く知られているデータ分析方法を、ざっとあげてみます。
・バスケット分析
・ABC分析
・クロス集計分析
・アソシエーション分析
・クラスター分析
・度数分析
・主成分分析
・回帰分析
データ分析は、数字が膨大であり分析の方法を誤ってしまうと全く意味のないものになってしまう可能性があるので、専用ツールを使うことが一般的です。
データ分析ツールとしては、アクセス解析ツールやBIツールが有名です。
まとめ
データ分析は、今迄は過去の経験則や感覚だったものを数値化し、現状や将来のむけて利用できる新しいツールです。分析の結果、見えていなかった現状の問題点が明らかになったり将来への戦略をたてる時のヒントが示される可能性もあります。
しかし、データは日々膨大な量が蓄積されていますし、その分析方法を間違えてしまうとせっかくの時間と労力が無駄になってしまう恐れもあります。
そのためには、データ分析ツールを使って多角的な視点から総合的な分析をすることが大切と言えるでしょう。データ分析が気になる場合は、まずは一体どんなものなのかセミナーや勉強会などに参加して実際のデータ分析の現場を覗いてみるのもありかもしれません。