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中小企業でAIをどう活用する?事例と合わせて活用のためのポイントを解説

「AI導入のメリットがいまいち分からない。」
「そもそもAIに何ができるのかイメージができない。」
そんな悩みをお持ちではありませんか?

この記事を読むと、
・AI活用でどのように売上アップやコスト削減ができるのか
・A Iが果たせる役割とはどんなものか
・導入する際、やるべきことは何か?
が分かります。

AI活用で成功した企業の事例を交えつつ、AIを導入するためのステップや大切にすべきことなどを紹介していきます。

AI活用事例

AIを有効活用している事例を3つ紹介します。

マルイ

スーパーマーケットなどの事業を展開するマルイは、AIを活用することで、約380万円のコスト削減に成功。難易度が高いとされる生鮮食品の需要予測をAIで実施しました。

店長などの、責任者の経験に基づいて仕入れをするよりも、AIが算出したデータに基づいて仕入れた方がムダは少なくなったのです。
そのため、相場が安いタイミングでまとめて仕入れることができ、需要予測のみで年間約90万円の粗利益の増加を見込めるようになりました。

他にも、業務の工数削減等を行い、結果として約380万円のコスト削減に成功しました。

プラポート

プラポートは従業員数が約100名の、プラスチック精密機械の加工を行う会社です。AIを活用し、加工図面からの自動見積もりを可能にしました。

その結果、それまで1時間かかっていた見積もり回答時間を、20分へと短縮することができました。

場合によっては1社と成約するまでに、何度も見積もりを算出する必要があります。その度に営業担当者が見積もりを算出するのは時間的なコストが大きいですよね。

AIによる自動見積もりを導入することで、担当者の時間的な余裕ができます。それにより、発注件数が増えて売上の拡大にもつながりました。

プラポートの社長は、「弊社の業務を理解した上で、複雑な計算処理もAIモデルに入れ込んでいただいており、実践で使えるAIモデルになっている。」と、AIの活用を高く評価しています。

チトセ工業

チトセ工業は従業員数が約50名の、金属プレス加工などを行う会社。AI活用は、学習塾のCO2濃度の予測に役立てました。
センサーデータに基づいて環境分析を行い、換気の頻度・タイミングの最適化に成功。

5分後の教室内のCO2濃度を予測できるようになり、国から指定されている規定値を超える前に換気を行えるようになったのです。

コロナの感染対策になるだけでなく、CO2濃度の増加による集中力の低下や、換気のしすぎによる体調悪化を予防することにも繋がっています。

AI活用のステップ

AIを導入するにあたって、どのようなステップが必要なのかについてお伝えします。

ステップ①:現状の把握

まずは、現状を把握することから始めましょう。現状を把握するために必要なことは以下の3つ。

✔️業務プロセスの洗い出し
✔️現場の状況を確認
✔️活用可能なデータの確認

それぞれについて解説します。

業務プロセスの洗い出し

まずは業務プロセスを全て洗い出してみましょう。業務内容を細分化し、見える化することによって、具体的に課題を考えられます。

例えば、以下のようにまとめてみるのがおすすめ。

引用元: AI導入ガイドブック – 経済産業省


「この仕事にAI活用は無理だろうな。」と決めつけず、一旦すべて出してみるといいでしょう。
AIで解決できる業務は多岐に渡るので、思いもよらないところで活用できるかもしれません。

現場の状況を確認

業務プロセスを洗い出すことができたら、以下の3つの点に気をつけて現場でヒアリングをしましょう。

・手間がかかっている箇所
・お金がかかっている箇所
・責任者の感覚的な判断に任せている物事

活用事例でも紹介したように、AIを活用することで労力やお金などのコスト削減に成功している企業が出てきています。
手間やお金がかかっている箇所については、現場の状況を必ずチェックしましょう。

また、AIは今まで感覚的に行ってきたことを、論理データに算出し、正解により近い判断が可能になる事例もあります。
責任者が感覚で選択している事項があれば、そこもチェックしておくといいでしょう。

このように、業務プロセスごとに現場がどうなっているのかヒアリングし、現状の課題を確認するのがとても重要です。
課題が明確になっていないと、AIをどこに活用するのかが決まらないので、現状把握にはじっくりと時間をかけていきましょう。

活用可能なデータの確認

現場へのヒアリングで浮かび上がってきた課題に関係するデータの有無を確認しましょう。

AI分析に活用できるデータは、以下のものがあります。

・表形式のデータ
・画像データ
・音声データ

表形式の場合、同じ列に同じ意味の情報が格納されている「構造化データ形式」が最もAI活用に便利なデータです。

特定の課題に関するデータが見つかったら、次のステップに進みましょう。

ステップ②:解決案の検討

解決したい課題を見つけられたら、その課題がAIで解決できるのかを考えていきます。

AIは、以下のようなことを実行できます。

・チャットへの自動回答
・顔認証
・電話対応
・通訳・翻訳
・画像認証
・画像解析
・機械の異常探知
・感情分析

解決したい課題にふさわしい機能を選択しましょう。その際、同じ課題をA Iの導入で解決した事例があれば、そのモデルを参考にしてみるのがおすすめです。

ステップ③:評価

課題に適したAIでの解決案が決まったら、その取り組みの実現可能性や実現するメリットなどを検討しましょう。

以下の3つの手順に沿って評価していきます。

・すぐできそうかを5つの観点で評価
・どれだけメリットがあるかを5つの観点で評価
・評価した解決策を優先順位づけし、取り組み領域を決定

すぐできそうかを5つの観点で評価

すぐできそうかどうかは次の5つの項目をチェックしましょう。

✔️利用可能なデータがあるか?
✔️すぐに適用できる解決策が存在するか?
✔️一定の効果が見込めるか?
✔️業務プロセスを大きく変更せずにAIを組み込めるか?
✔️実行するまでに承認してもらうべき人数は少ないか?

それぞれをチェックし、当てはまる項目を控えておきます。

どれだけメリットがあるかを5つの観点で評価

どれだけメリットがあるかは次の5つの項目をチェックしましょう。

✔️売上増・コスト減に大きく寄与するか?
✔️少ない初期投資で始められるか?
✔️中長期的に企業の成長を見込める内容か?
✔️顧客や従業員の満足度が向上するか?
✔️自社が目指す方向性に合致するか?

当てはまる項目の数はあくまで目安です。優先したい経営目標が明確であれば、その目標に沿っているかどうかで判断してくださいね。

評価した解決策を優先順位づけし、取り組み領域を決定

上記2つで当てはまる項目の個数などによって、以下の表のように優先度を検討していきましょう。

実現可能性が高く、メリットが大きい取り組みを選定します。

AI活用で重要なポイント

AIを活用する上で最も重要なのは、現状の把握を正確にすることです。

現状を把握し、AIを活用することが効果的だと判断した場合にのみAIを活用してみましょう。AIを活用するのは、あくまで手段です。会社を進歩させることが目的としてあるので、そこを見失わないように注意が必要。

ですので、無理にAIを活用しようとしなくてもいいのです。
現場の声を聞き、経営的にAIが有効な手段だという判断ができるのであれば積極的に活用方法を検討しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回の記事では、以下のことをお伝えしました。

・AIで受注予測をし、コスト削減に成功した事例
・AIが自動見積もりを作成し、受注数・売上が拡大した事例
・AIでCO2濃度予測をし、学習環境が改善した事例
・業務プロセスを細かく洗い出す
・現場へのヒアリングで課題を抽出する
・AI分析に使えるデータを確認する
・AIで解決可能なソリューションかを調べる
・優先度の高い取り組み領域を選定しよう
・AIの活用はあくまでも手段

AI活用の事例や始めるための手順についてご理解いただけたかと思います。

まずは、会社の現状を把握し、AIの活用が必要なのかどうかを考えるところから始めてみましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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