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経営課題の改善

IT導入補助金の基礎をわかりやすく解説!

業務の生産性向上のため、IT導入費用の補助を受けることができる「IT導入補助金」について、
そもそもどういった制度なのか、対象者や申請方法など、補助金の基礎情報をわかりやすく解説します!

  • web会議や接客AIロボットの導入
  • 販売管理や顧客管理システムの導入
  • 情報共有システム
  • 会計クラウド

上記のようなシステムで事業の改善を検討されている事業主、担当者の方には、
きっと、朗報になると思いますので是非ご参考ください。

 IT導入補助金とは

IT導入補助金は、中小企業の生産性向上の取り組みを支援する「中小企業生産性革命推進事業(ものづくり補助金・持続化補助金・IT導入補助金)」のうちのひとつで、生産性の向上に役立つITツールの導入経費の一部を補助します。ITツールとは、パッケージソフトの本体費用やクラウドサービスの導入・初期費用とそれに伴うオプション・サポートなども含まれます。

「IT導入補助金」では次のようなIT導入が対象になります。

・日々業務が発生する経理等の業務を効率化させるITツール
・顧客等の情報を一元管理するようなクラウドシステム
・日々の業務の生産性向上に繋がるITツール
・遠隔地から業務を行うテレワークの環境整備や業務形態の非対面化のためのツール(※C・D類型)

また、IT導入補助金ではITベンダー・サービス事業者といった「IT導入支援事業者」が申請等のサポートを行う仕組みになっているので、ITに関して、不安という方でも安心して取り組めるようになっています。
このIT導入支援事業者が事務局に登録して認定を受けたITツールのみ、補助の対象となっています。

IT導入補助金の申請枠は、通常枠のA、B類型と低感染リスク型ビジネス枠のC、D類型の合計4つのパターンがあります。申請類型や補助額に応じて、賃上げ目標の策定が補助金の申請枠によって加点または必須項目となっています。

A、B類型(通常枠)

   A類型   B類型
 補助額 30万~150万未満 150万~450万以内
 補助率 1/2以内 1/2以内
ソフトウェアに必要な業務プロセス数 1項目以上
 4項目以上
 賃上げ目標の要件 加点 必須要件
(未達の場合は補助金返還)

 補助対象

ソフトウェア購入費用や関連オプション、役務

ソフトウェア購入費用や関連オプション、役務

【賃上げ要件】

(1)事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加(被用者保険の適用拡大の対象となる企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加)

(2)事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする・上記内容を交付申請前に従業員に表明する

C、D類型(低感染リスク型ビジネス枠)

  C-1類 C-2類型 D類型
補助額    30~300万円未満 300~450万円以内 30~150万円以内
補助率 1/2以内
プロセス数    2以上
ツール要件(目的) 感染リスクに繋がる業務上での対人接触
の機会を低減するような複数プロセス
の非対面化や業務の更なる
効率化を目的とした事業
「テレワーク環境の
整備に資するクラウド
対応ツールを導入し
複数のプロセスの非対面化
を行うことを目的とした事業
賃上げ目標の要件 加点 必須要件
(未達の場合は補助金返還)
加点
補助対象 ソフトウェア購入費用や関連オプション、役務ハードウェアレンタル(C、D類型でのみ補助対象)

【賃上げ要件】

(1)事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加(被用者保険の適用拡大の対象となる企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加)

(2)事業計画期間において、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする・上記内容を交付申請前に従業員に表明する

IT導入補助金の対象

IT導入補助金の交付対象とされている「中小企業・小規模事業者等」は、下記の表に含まれる企業・事業者となります。

対象事業者

資本金・従業員規模の一方が、下記以下の場合対象(個人事業を含む)となります。

業種・組織形態資本金常勤の従業員
①製造業、建設業、運輸業3億円300人
②卸売業1億円100人
③サービス業
(ソフトウエア業、
情報処理サービス業、
旅館業を除く)
5,000万円100人
④小売業5,000万円50人
⑤ゴム製品製造業
(自動車又は航空機用タイヤ
及びチューブ製造業
並びに工業用ベルト製造業を除く
3億円900人
⑥ソフトウエア業
又は情報処理サービス業
3億円300人
⑦旅館業5,000万円200人
⑧その他の業種(上記以外3億円300人
医療法人、社会福祉法人、学校法人300人
商工会・都道府県商工会連合会
及び商工会議所
100人
中小企業支援法第2条第1項第4号
に規定される中小企業団体

特別の法律によって設立された組合またはその連合会
財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益)

特定非営利活動法人
①~⑧の主たる業種に記載の従業員規模

 申請条件

  • 交付申請の直近月において、事業場内の最低賃金が地域別最低賃金以上であること
  • gBizIDプライムを取得すること
  • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★一つ星」または「★★二つ星」いずれかの宣言を行うこと
  • 補助事業を実施することによる労働生産性の伸び率について、1年後3%以上、3年後9%以上の数値目標を作成すること
  • 3年間の売上、原価、従業員数および就業時間等、給与支給総額・事業場内最低賃金等を、効果報告期間内に報告すること

対象ツール

主に①のソフトウェアを購入に伴う②オプション③役務の費用も対象となります

①ソフトウェア

労働生産性の向上や業務効率化を促すことを目的としています。

  • 顧客対応・販売支援
  • 決済・債権債務・資金回収管理
  • 調達・供給・在庫・物流
  • 会計・財務・経営
  • 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・
  • 汎用・自動化・分析ツール

(業種・業務が限定されないが生産性向上への寄与が認められる業務プロセスに付随しない専用のソフトウェア

②オプション

  • 拡張機能
  • データ連携ツール
  • セキュリティ

③ 役務(付帯サービス)

  • 導入コンサルティング
  • 導入設定・マニュアル作成・導入研修
  • 保守サポート
  • ハードウェアレンタル(C、D類型でのみ補助対象)

例)

 業種全般顧客管理システム
クラウド会計
web会議
勤怠管理システム
 卸・小売業 接客ロボット
販売管理システム
勤怠管理システム
 宿泊業宿泊予約サイト
情報共有・連絡ツール
 保育・介護情報共有・連絡ツール
書類作成ツール
訪問介護支援システム
 運輸・物流車両管理システム
物流管理システム
情報共有・連絡ツール
 製造業CAD
原価計算・見積管理
情報共有・連絡ツール

 申請・手続きの流れ

IT導入補助金の交付申請・事業実績報告は、補助事業者とIT導入支援事業者が共同で行います。
中小企業・小規模事業者の皆さまの手続きの流れは以下のとおりです。

1、IT導入支援事業者の選定とITツールの選択

IT導入支援事業者と相談をしながら、自社の経営課題に沿って、業務の効率化、生産性の向上の為に、必要な導入したいITツールを選定します。

2、「gBizIDプライム」アカウントの取得

gBizIDプライムアカウントID発行には、約3週間かかりますので、早めに申請手続きをします。

3、交付申請

gBizIDプライムアカウントID発行後、「申請マイページ」上から交付申請を行います。

4、補助事業の実施

交付申請を完了し、事務局から交付決定を受けた後に、ITツールの発注・契約・支払い等の補助事業を行います。

5、事業実績報告

補助事業が完了したら、IT導入支援事業者の確認及び必要情報の入力を得て、事業実績報告を提出します。

6、補助金交付手続き

事業実績報告が完了後、補助金額が確定され「申請マイページ」で補助額を確認できるようになり、補助金が交付されます。

支給後、3年間の売上、原価、従業員数および就業時間等、給与支給総額・事業場内最低賃金等を、効果報告期間内に報告することになりますので忘れないようにご注意ください。

 採択されるための重要なポイント

やはり、不採択になる場合があります。不採択の理由のほとんどが申請の不備にあると言われています。まず、しっかりと確認することが大事です。

  • 申請情報に不備がないか確認
  • 申請内容に一貫性があるか
  • IT導入支援事業者によく相談する

まとめ

コロナ禍のため、web会議やリモートのためにITツールを導入しなければならない。事業の先行きは誰もが不安になる時代です。IT導入の補助事業で業績改善となる機会となり、生産性向上や業務の効率化に繋がった例もあります。この機会にITツール導入をおすすめいたします。

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