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中小企業社長が注目すべきビジネスキーワードとは

株式会社 日経BPがマーケティング&イノベーション専門メディア「日経クロストレンド」が作成した「トレンドマップ2022上半期」が、5月6日に発表されました。マーケティング、テクノロジー、消費トレンドの3つの分野別に、将来性と経済インパクトそれぞれの部門で注目されるキーワードが並んでいます。その中から、2021年下半期から大きく票数を伸ばしたキーワードについてご紹介します。

トレンドマップ2022上半期のランキングについて

デジタルメディアである「日経クロストレンド」はWebやスマホサイト、アプリを中心に、マーケティング戦略や商品開発、新事業創造などの情報を提供しています。「トレンドマップ2022上半期」の調査は、「日経クロストレンド」編集部が3月下旬から4月上旬に実施しました。内容は、マーケティング分野(29キーワード)、テクノロジー分野(27キーワード)、消費トレンド分野(29キーワード)の計85キーワードを選定し、各キーワードを認知する人に現時点での「経済インパクト」と「将来性」を5段階評価してもらったものです。

各質問事項は以下の通りです。

・ 経済インパクト

1. どの企業も収益を得られていない
2. 一握りの企業(1~2割程度)の収益に影響している
3. 一部の企業(3~5割程度)の収益に影響している
4. 大半の企業(6~8割程度)の収益に影響している
5. 社会全体になくてはならない存在

・ 将来性(企業の収益貢献や社会変革のインパクト)

1. 将来性は低い
2. 将来性はやや低い
3. どちらとも言えない
4. 将来性はやや高い
5. 将来性は高い

各分野でスコアを伸ばしたキーワード

2021年下半期の調査結果と比較して、スコアを伸ばしたキーワードランキング上位に入ったものを、ご紹介します。将来性の部門のランキングで、前回に比べて最もスコアを伸ばしたキーワードは、マーケティング分野では「音声SNS」、テクノロジー分野では「空飛ぶクルマ」、消費トレンド分野では「人生100年時代」でした。

経済インパクト部門では、マーケティング分野は「デザイン思考」、テクノロジー分野は「カーボンニュートラル」、消費トレンド分野は「サステナブル・エシカル消費」が1位に輝きました。

以上の6つのキーワードはご存じでしょうか。一つずつ解説していきます。

音声SNS

「音声SNS」とは、音声のみで配信したり交流したりできるSNSサービスの総称です。以前若者を中心に熱狂的ブームを巻き起こした「Clubhouse(クラブハウス)」がその代表ですが、個人でも簡単に配信することができて、今注目されているSNSです。SNSと言えばTwitterやInstagramに代表されるように文字や写真が中心のものが主流でしたが、音声SNSはその音声版とも言え、ユーザー同士の繋がりがメインとなっています。声を使った投稿は文字や写真と比べて気持ちやニュアンスが伝わりやすく、深いコミュニケーションを取ることができるのが特徴です。

投稿する側も受け取る側も、文字や写真より簡単で手軽なのも魅力です。特に受け取る側は、画面を見なくても耳で情報を受け取ることができるので、何かをしながらでも楽しむことができます。「Clubhouse」の他にも、「SOUL」「HAKUNA」「CANDAN」「Yay」「Spoon」など、音声SNSの種類はたくさん出ています。その他にも、誰でもインターネットラジオを開局できる「Voicy」や音声通話アプリ「パラレル」なども人気を集めています。

空飛ぶクルマ

「空飛ぶクルマ」とは次世代の交通手段として注目を集めている、個人が日常的に乗り降りできる乗り物のことです。正式名称は「電動垂直離着陸型無操縦者航空機」と言い、一般的には「eVTOL(イーブトール)」のことを指します。遠隔操作や自動制御によって飛行するドローンがベースになっており、人が乗車可能なもの、電気自動車を基にプロペラや自動制御システムが装備されているものもあります。

「空飛ぶタクシー」とも呼ばれ、新しい交通動手段として注目され、開発が活発化しています。実証実験も盛んに行われており、実用化も少しずつ現実味を帯びている。

人生100年時代

「人生100年時代」とは、100歳まで生きることが当たり前になる時代のことを言います。元々は、ロンドン・ビジネス・スクール教授リンダ・グラットンの著書『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』で提唱された言葉です。今までの日本では、定年退職や現役引退後の人生は余生と捉えられていましたが、年齢にかかわらず新しい知識を学んだり、働いたり、ボランティア活動をしたりなど新しい人生設計が必要になります。

全世界で高齢化が急速に進み、先進国では2007年生まれの2人に1人が100歳以上生きる「100年時代」の到来が予測されています。日本でも、現在の平均寿命は今後更に伸びることが予想され、2007年生まれの半数は107歳まで生きるだろうとする研究が発表されています。

将来的には75歳定年になるとも言われていますが、その後も長く人生が続くことになるので、長期化する老後の経済不安が懸念されています。年金の受給開始年齢の引き上げや今後ますます進むであろう少子高齢化を思うと、年休受給額の減額、医療費の自己負担等懸念事項がいくつもあります。

デザイン思考

「デザイン思考(Design Thinking)」の定義は、「ユーザーも気付かない本質的なニーズを見つけ、変革させるイノベーション的思考」で、「デザイン・シンキング」と呼ばれることもあります。つまり、デザイン制作で広く使われている考え方や手法を、ビジネスや経営に活かしていく方法のことを言います。日立や富士フィルム、YahooJapaなどの大手日本企業や、Apple、Google,P&Gなどの外資系企業など、導入する企業が増えています。

もう少し詳しく解説すると、「デザイン思考」の特徴は根本的な悩みの解決にあり、問題の解決に向け消費者の体験を本質的な価値として提供できるようにプランニングすることです。これまでのビジネスでは、商品の品質や価格の安さなど、個別のサービスや内容が重要視されていました。対して「デザイン思考」は、人の悩みをどうやって解決するかということを重視しています。

人口の減少やグローバル化、AIの登場など変化を遂げている社会環境により、ビジネスのあり方も変化を遂げています。今までの常識が通用しなかったり、経済状況が悪化したり、複雑かつ多様化している現代社会の中で、従来の考え方ややり方では消費者のニーズの変化に対応することが難しくなっていることから、「デザイン思考」がビジネスに取り入れられてきているのです。

しかし、「デザイン思考」は課題解決を促すのではなく課題を問い直し、本当の問題を発見する姿勢やプロセスです。消費者の真意を探り、本当の問題に向かうことこそが「デザイン思考」と言えます。

カーボンニュートラル

「カーボンニュートラル」を一言で言うと、音質効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることです。日本政府は2020年10月に、2050年までに温室効果ガスの排出を、全体で見た時に0にする、つまり「カーボンニュートラル」を目指すということを発表しました。温室効果ガスの排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計が0になるということです。排出自体を0にすることは現実的に困難なので、排出した分と同じ量を森林が吸収したり、人為的に除去したりすることで、実質的に0を目指すという考え方です。

「カーボンニュートラル」を実現させるためには、温室効果ガスの排出量を削減することはもちろんですが、吸収作用の森林保全なども行う必要があります。「カーボンニュートラル」が注目されるようになった背景には、地球全体の気候危機があります。2017年の時点で世界の平均気温が、約100年前と比較して約1℃上昇したと言われています。その状態が今後も続けば、世界の平均気温が更に上昇することが予想され、様々な災害の発生につながる可能性があるため、今注目を浴びているのです。

サステナブル・エシカル消費

「サステナブル消費」と「エシカル消費」には、近年耳にする機会が多い「SDGs」に関連があります。ご存じのように「SDGs」とは持続可能な開発目標の略称で、2030年までに達成したい社会や環境などに関する目標を掲げたものです。その「SDGs」の注目によって、「サステナブル」と「エシカル」という言葉も、メディアでよく取り上げられるようになりました。

「サステナブル」とは、持続可能な様子という意味があります。始まりは、1987年に世界委員会が公表した環境と開発に関する書類の中で、「サステナブル」の意味を活用した概念が取り上げられていたことだと言われています。「サステナブル消費」とは、長く使えるものを最低限だけ購入するということです。「サステナブル社会」という言葉を耳にすることもありますが、これは地球環境を害さずに限られた資源を使って、安心して生活できる社会のことを言います。

「エシカル」とは倫理や道徳という言葉を形容詞化した言葉です。法律で決められていないものでも、大人数が正しいと考える社会的規範を表す言葉として認知されているものです。「エシカル消費」とは、人々・地球・環境に配慮した購買行動のことで、サステナブルな消費活動につながるための行動と言い換えることもできます。1989年にイギリスの専門誌で初めて使われました。

「サステナブル消費」と「エシカル消費」が注目されている背景には、前述したとおり地球の環境問題が深く関わっています。環境問題を解決するために、地球環境に配慮した資源を活用して、継続的に生産できる仕組みが重要視されていることにより、この2つの消費行動が注目されているのです。

まとめ

以上6つのキーワードをご紹介しました。ご存じのキーワードを、既に業務や計画に取り入れたり盛り込んだりしているキーワードはあったでしょうか。どのキーワードも、変化し続けている現代社会や、今後更に変化していく社会環境や社会問題に深く関わるものばかりです。各企業の業務においても、これらのキーワードを意識したり活用したり取り入れたりしながら、更なる生産性の向上や発展を目指してはいかがでしょうか。

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